マンガの歴史②平安時代編
マンガの歴史をたどるとその時代によって違う特色が垣間見れ、日本を取り巻いていた状況や文化の変化を感じ取ることができます。 今から1000年ほど前の平安時代末期にはすでにマンガの走りのような作品が誕生していました。
教科書や資料集などで目にすることもあるかもしれませんが、現在の作品とは大きな違いが見られます。 ここでは平安時代に作られたマンガ作品について紹介します。
平安時代とマンガ
貴族中心の社会が築かれ比較的平穏な生活が営まれていた平安時代は、皇族や貴族などを中心に様々な文化が生まれました。 姿や形を変えて今でも残っている文化は数多くありますし、この時代ならではのおおらかさを感じられるものも多いです。
日本におけるマンガの起源は平安時代だという説が有力で、大体1100年代から1200年代にかけて作られはじめています。 もちろん現在のマンガとは全く違い一見すると様々なシーンを切り取ったイラスト集のような見た目ですが、当時の人たちはこの目新しさに惹き込まれました。
当時は文字の読み書きができる人は一握りの時代ですし、上流階級の人たちであっても読み書きできない人は大勢いたでしょう。 そんな時に活字ではなく気軽に読むことができるマンガは新しい形の娯楽として受け入れられたようです。
平安時代にはどのようなマンガがあった?
平安時代にあった有名な作品といえば「鳥獣戯画」がまず連想され、これは日本で最も古い作品だといわれています。 その名称の通り様々な生き物が戯れて遊んでいるシーンを表現しており、遊び心溢れるマンガです。 今とは表現の方法が多少違いますが、しゃべっているシーンではそれをうまく表現しているのが特徴的です。
ちなみにこの作品は非常にカジュアルチックですが、作者は鳥羽僧正など複数人だといわれています。 鳥羽僧正は戯画に関しては右に出る者がいないほどの存在で様々なマンガ作品を作り上げたようです。
基本的には動物が遊んでいる姿や人間の日常生活に関するもの、そして風刺マンガのような作品もあったようです。
おわりに
平安時代の後半には現在のマンガに繋がる文化が誕生し、花開き始めていました。
それまでの日本ならではの文学とは一線を画す存在として成長し、だれもが気軽に読むことができる作品が多数登場しています。
「鳥獣戯画」は平安時代(もしくは鎌倉時代初期)を代表するマンガとして知られ、今でも様々な文献やテレビで見かけることがあるでしょう。次回は、マンガの歴史江戸時代編です!