【連載】第一回 面白いマンガに必要な3要素(青木健生)

はじめに

こんにちは!マンガファクトリーさんでも仕事をさせてもらっている、漫画制作者の青木健生です。「漫画制作者」という肩書きの私は、マンガが描けるマンガ家ではありません。シナリオやネーム(マンガの設計図のようなもの)などによる「マンガ原作」の執筆や、マンガの構成やプロデュース、マンガ編集などを行っています。つまり、「マンガを描く」以外の全てのマンガに関わる仕事をしているのです。「マンガのプロ」としてのキャリアも、来年の2019年で20年となります。 そうやって私が貯めてきたマンガの知識や経験をもとに、今回は「面白いマンガに必要な3要素」についてお話したいと思います。

「マンガの絵」にとって、大事なポイントは?

 面白いマンガに必要な3要素、それは「絵」「キャラクター」「世界観」の3つです。 マンガ家志望者の中には「絵がうまくないと、マンガ家にはなれない」と思っている人も多いですが、決してそんなことはありません。 マンガとは、「たくさんの『情報』を、ひと目見ただけで素早く伝えることが出来る手段」 だと言えます。だからマンガは、広告・宣伝の世界においても、絶大な力を発揮するのです。 そのためマンガの絵とは、「描いたものが何なのか」という「視覚情報」がちゃんと他人に伝わることこそが大事なのです。 パソコンならパソコン、スーツならスーツ。「何を描いたのか」ということさえ読者がちゃんと理解してくれれば、それで最低限の仕事を果たしたことになるのです。  

「キャラクター」って、何?

「面白いマンガに必要な3要素」のうちの2つ目が、「キャラクター」です。 よく漫画の世界では、 「キャラが立っている・立ってない」「キャラをもっと立てましょう」 などのように、「キャラ=キャラクター」という言葉がよく使われます。 「キャラが立つ」とは、「(その登場人物の)キャラクターが目立っている」という解釈でいいと思いますが、そもそも漫画の世界で使われる「キャラクター」という言葉には、どういう意味が込められると思いますか? そこについては作家ごとに色々な考え方があると思いますが、私は漫画における「キャラクター」とは、「個性」「魅力」「能力」の3つの要素のことだと考えています。 「個性」とは、簡単に言えばその人の「多くの他の人と違うところ」のことです。 「髪が金髪」「色白」「関西弁を話す」「声が大きい」「トカゲを飼っている」 などのような、「世界で一人」とまでは言い切れないとしても、例えば学校のクラスや職場などの一定範囲の中で、一人いるかいないぐらいの「他の人にはない要素」がある。それくらいであっても、その人物の個性となります。 「能力」とは、「多くの他の人より優れているところ」のことです。 能力は、特に男性向け漫画の主人公には欠かせないものです。 すごく強かったり、すごい料理を作れたり。すごい必殺技を使えたり。 また「職業もの」のマンガの主人公は、その題材(ネタ)となった職業に対する高い能力を持っているものです。 ただキャラクターを構成する3つ目の「魅力」は特に描くのが難しく、理解しにくい要素です。「魅力」とは、もう少し分かりやすく言えば 「カッコいい!」「付き合いたい!」「結婚したい!」「友達になりたい!」 と読者に思わせられるほどの、その人の「人間的魅力」のことです。 「カッコいい!」「結婚したい!」と思わせたいなら、もちろんルックスも大事です。 ルックスやスタイルの良さも、その登場人物の「魅力」のひとつです。 また上司に正論を吐く島耕作や、「サラリーマン金太郎」の金太郎のような 「自分(読者)が言えないようなことを言って、できない行動をしてくれる」 のも、読者が「カッコいい!」と感じる魅力になります。 外見と内面の「カッコよさ」が、その登場人物の人間的魅力につながるのです。

「世界観」は、さっさと伝えよう

最後の3つ目の要素が「世界観」です。ストーリーとは、①いつWhen、②どこで Where、③だれが Who、④何のために Why、⑤どのようにHow、⑥何をする(どう行動する)What、の「5W1H」で作られた一文で、最小単位として成立すると思います。 多くのストーリーは現在(今)のストーリーだと思いますが、そこも含めてまずは劇作法で「天地人」と言われる 「いつ(天)・どこで(地)・だれが(人)」 の3要素が、ストーリー作りのための一番の基本です。 そして、特にそのうちの「いつ・どこで」の部分が、ここで言う「世界観」に含まれる重要な要素だと言えます。 「いつ・どこで」をちゃんと紹介できていないマンガは、読者のその作品に対する理解度が落ちます。疑問を感じながら読むマンガは、感動も感情移入もしにくいです。SFやファンタジーなどのような、「読者がよく知らない世界」を舞台にした作品なら、なおさらです。 舞台設定・時代設定などの「情報」は出来る限り早く、それこそマンガの1ページ目から読者に伝えて行くぐらいでないといけないのです。

おわりに

 多くの人に「面白い!」と思ってもらえるマンガを描くためには、どの部分を意識してマンガを描き切るかが大事です。まずは 「どんな絵を描いて どんなキャラクターにして どの『情報』をまずは伝えるべきか?」 あたりを常に頭のすみに置きながら、マンガの制作に取り組んでみて下さい!

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