マンガ風キャラクターを制作するとき、注意すべきこととは?

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マンガ風キャラクターを制作するとき、注意すべきこととは?

当社にも、マンガ風のキャラクターを作って欲しい…というご依頼が時々寄せられます。
2008年頃から起きているご当地キャラ、きぐるみなどのブームはまだ続いており、 コロナが流行る前では地域のおまつり、企業イベントで頻繁に姿を見ることができました。

どのイベントでも子どもたちの人気者になっているマンガ風キャラクター。企業のイメージアップにも大事な役割を果たしています。
作るときに注意すべきことをまとめてみました。

マンガ風キャラクターを制作するとき、注意すべきこととは?

特に問題になるのは「他のキャラクターとかぶっていないか、差別化ができており、目立つか」ということです。

よくあるケースは、せっかく作ったキャラクターと名前やデザインがそっくりなキャラクターが後日発覚し、名前やデザインの作り直しを余儀なくされてしまうという残念なお話です。
特に、ご当地の名物や動物をモチーフにしたキャラクターは似たものがすでに多くいることがありますので、これまでのキャラクターを精査してからキャラクターを作る必要があります。

例えば、鹿が有名な奈良県奈良市では鹿をモチーフにしたキャラクターが複数存在しています。
(出典:まいどなニュース2019年9月1日付け記事 https://maidonanews.jp/article/12675354

キャラクターのネタにされがちな奈良の鹿
奈良の鹿
(出典:ウィキペディア)

更に、同業他社のキャラクターと比べて目立たなければなりません。どこが自社の強みなのか?把握し、同業他社がかわいい系のキャラであれば強そうなキャラにする、ということも考えなければなりません。

ご当地キャラブームは終わりがちなワケ→多すぎて効果が薄くなるから

前述の通り、奈良の鹿のキャラが多いように、ご当地キャラはあまりにも多く、乱立するためにブームが終わってしまう傾向もあります。

ご当地キャラのブームは1980年頃から何度か発生し、その度に色々なキャラクターが作られるのが常ですが、人気になるキャラクターはなかなかいません。
ブームが起きるとたくさんのキャラができるものの、乱立すると印象が薄くなり、ブームが終わってしまう傾向があるようです。そして、ブームが一段落したあとで、人気キャラが突然現れる、ということを繰り返しています。

人気のキャラクターの検索数が2004年からどう変化したか

このグラフは、googleトレンドで人気のキャラクターの検索数が2004年からどう変化したかを表しています。

一番初めに人気になった「せんとくん」(奈良県のキャラクター 紫の線)が人気が落ち着いてきたあと、入れ替わるように「くまモン」(熊本県のキャラクター 青い線)の人気が出始めています。
同じ時期に「アルクマ」(長野県のキャラクター 緑の線)も人気が出始めましたが、「くまモン」に押されてその後は人気が伸びませんでした。

印象が薄くなるのを防ぐため、ご当地キャラが増えすぎた地方自治体の間では、人気のあるキャラクターに絞って活動するようにしているのが原状です。

例えば大阪府では、45体もいたご当地キャラクターを「もずやん」1体に、熊本県では10以上いたキャラクターを「くまモン」1体に絞って活用しています。
(出典:産経新聞2014年4月3日記事 https://www.sankeibiz.jp/compliance/news/140403/cpd1404031937005-n1.htm

キャラクターを減らした理由は、大阪府では「知名度が低いキャラクターが多すぎて何を宣伝しているかわからず、統一的な広報戦略ができていない」ことでした。

その後、「くまモン」を人気にするために大掛かりなイベントを仕掛ける、知事と一緒にいつも「もずやん」を記者会見に出す、等の人気を上げる努力を行い、結果的にくまモンはTwitterで80万フォロワー、もずやんはTwitterで5.2万フォロワーがいる人気キャラクターになっています。

熊本地震の後、プロモーションを行うくまモン(出典:くまモン公式Twitter)

地元の選手と一緒にプロモーションを行うもずやん(出典:大阪スポーツ王国)

単にキャラを作るのではなく、キャラをどう使うかが大事

このように見ていくと、「キャラクターを作ったから人気が出たわけではなく、キャラクターを使って色々なプロモーションを行ったために人気が出ている」ということが分かります。

以下で述べる「ふっかちゃん」の広告戦略を行っているたつみ印刷株式会社様でも、
「イメージキャラクターは全国的に注目されているものの、「イメージキャラクターを作れば必ず経済効果が出る」というわけではありません。」
https://www.tatsumi-insatsu.co.jp/case/yuru-chara/index.html
と、書かれているとおりです。

まずプロモーション戦略があって、キャラクターを使う必然性があって初めてキャラクターが生きてくるわけです。

実例・ご当地キャラを使ってマンガバナーを展開してみた

当社では有名ご当地キャラの「ふっかちゃん」で会社をPRするマンガバナーを書いたことがございますので、それを元に説明したいと思います。

「ふっかちゃん」は埼玉県深谷市のご当地キャラで、2014年のご当地キャラ総選挙イベントで準グランプリ、2015年は子供部門でグランプリを獲得した有名なキャラです。
(公式サイト:https://www.fukkachan.com/fukka/

お客様は地元農産物を扱う農園様で、子供連れの親子客、祖父や祖母が孫を連れてくる需要の認知を上げ、農園へ誘導したいと考えられていましたが、良い案がないだろうか?というところで弊社にお問い合わせいただいたものです。

そこで、弊社が立案したのが人気の「ふっかちゃん」をマンガに取り入れることでした。

まず、統計上は55.9%の人が「キャラクターを見ると安らげる」と回答しており、子どもを連れて遊びに行くときに「安心・安全」が求められる昨今、安心できるキャラクターを使うことは集客効果に直結するのではないか?と仮説を立てたわけです。
(参照:https://research.nttcoms.com/database/data/000938/

そして、ご当地キャラの「ふっかちゃん」を使うことにしたわけです。ふっかちゃんは市のイベントでもよく登場しており、商圏の中にいるターゲット層には馴染みがある存在だということが「ふっかちゃん」を使った理由です。

ふっかちゃんは深谷市役所が権利を持つキャラクターですので、当社は市役所との折衝をまず行った上で制作に取り掛かりました。

そして、ふっかちゃんのイメージを壊さないようなサイトデザインや、ロゴデザインなども行い、メルヘン調で子どもさんに喜ばれそうなピンク色を基調にしたデザインに致しました。

結果的に、市役所の許可を得ることができ、ふっかちゃんをあしらったマンガのバナー広告や、ふっかちゃんを農園仕様にした塗り絵を展開し、農園の認知度を上げ、お客様を呼び込むことができました。

キャラクターを使ったマンガ広告のご相談は実績のマンガファクトリーへ

これまで述べてきたように、キャラクターの仕様には色々な制約があるものの、実施すれば効果はもちろん見込むことが可能です。
当社ではキャラクターを使ったマンガ執筆だけではなく、前述のように役所などの権利者との折衝なども行っております。お気軽にお声がけください。